「鉄仏の製作年代と古伝書「古今鍛冶備考」からみた
　銑押し法と�ﾋ押し法の成立期の検討」

１．諸言
２．古代の製鉄技術
３．調査の方法
３．１　鉄仏の調査
３．２　古伝書「古今鍛冶備考」の調査
４．結果
４．１　鉄仏の調査
４．１．１　製作時代による製作点数の分類

４．１．２　製作年紀による製作点数の分類

上記鉄仏９７点のうち、製作年紀のあるものは２７点で、その分類結果を以下に示した。

（１）承安３年（１１７３）（平安時代末期）　１点

（２）建久８年（１１９７）（鎌倉時代初期）　１点

（３）建保５年（１２１７）（鎌倉時代初期）　１点

（４）建保６年（１２１８）（鎌倉時代初期）　１点

（５）寛喜２年（１２３０）（鎌倉時代初期）　１点

（６）貞永２年（１２３３）（鎌倉時代初期）　１点

（７）文暦２年（１２３５）（鎌倉時代初期）　１点

（８）仁治４年（１２４８）（鎌倉時代中期）　１点

（９）建長５年（１２５３）（鎌倉時代中期）　１点

（10）弘長４年（１２６４）（鎌倉時代中期）　１点

（11）文永２年（１２６５）（鎌倉時代中期）　１点

（12）文永３年（１２６６）（鎌倉時代中期）　１点

（13）文永５年（１２６８）（鎌倉時代中期）　１点

（14）建治元年（１２７５）（鎌倉時代中期）　１点

（15）建治３年（１２７７）（鎌倉時代中期）　２点

（16）弘安６年（１２８３）（鎌倉時代中期）　１点

（17）正和元年（１３１２）（鎌倉時代末期）　１点

（18）文保２年（１３１８）（鎌倉時代末期）　１点

（19）元応２年（１３２０）（鎌倉時代末期）　１点

（20）文和４年（１３５５）（南北朝時代）　　１点

（21）応永５年（１３９８）（室町時代初期）　１点

（22）永正６年（１５０９）（室町時代中期）　１点

（23）享禄４年（１５３１）（室町時代末期）　１点

（24）天文２４年（１５５５）（室町時代末期）１点

（25）承応２年（１６５３）（江戸時代初期）　１点

（26）享和元年（１８０１）（江戸時代末期）　１点

合計　２７点

４．２　古伝書「古今鍛冶備考」の調査
５．考察

６．結論

本論の題目による調査に限ってみた場合、銑押し法は鎌倉時代には本格的なものとして
成立していた。�ﾋ押し法が開発されたのは室町時代後期、天文頃である。以後両技術は、
近世に至ると一度の操業で量産を可能とする大型炉による、より高度な生産技術へと
進展していったものと考える。

７．補完
文献